マイルス・デイヴィス クールの誕生
トリプルアップ配給協力作品
2020年9月4日(金)よりアップリンク渋谷&吉祥寺、9月5日(土)より新宿K's cinemaほか全国順次ロードショー!
"ジャズの帝王"と称されるマイルス・デイヴィス。
幾度となくジャズの歴史に革命をもたらしたトランペット奏者、
その素顔に迫る傑作ドキュメンタリー。
「クールの誕生」(1949年~50年)、「カインド・オブ・ブルー」(1959年)、「ビッチェズ・ブリュー」(1969年)―10年おきにジャズの歴史を更新する名盤を生み出した、天才トランペット奏者マイルス・デイヴィス。
音楽においても、人生においても、彼は何度も固定観念を破った。そうやってでき上がった作品が、世の中でスタンダードになった瞬間、またそれを覆した。過去を振り返ることなく、明確なヴィジョンとたゆまぬ向上心、そして新しい挑戦へのハングリー精神を持ち続けたからこそ、ビバップかたクール・ジャズ、ハード・バップ、モード・ジャズ、フュージョン、ロック、ヒップホップに至るまで、あらゆる音楽の革新者となりえたのである。
今回初登場となるレアなアーカイヴ映像、音源、写真に加え、アーティストや家族・恋人・友人など、マイルスと密接に関わった人々との対話を通じて、トランペットの影に隠された唯一無二の芸術家の素顔に迫る傑作ドキュメンタリー。
俺は音楽に呪われてきた。
寝ても覚めても頭には音楽があつた。
人生は冒険であり挑戦だ。
安定を求めるものじゃない。
創造を続けるには変わる事だ。 マイルス・デイヴィス
監督より
私にとってのマイルスは、
計り知れない力を持つ無二の存在であり、
まさしくクールの体現者。
スタンリー・ネルソン
大学に進学する時、父親のコレクションから「カインド・オブ・ブルー」を盗んで持っていたことを覚えている。学生寮の自室で何時間「フラメンコ・スケッチ」の世界に浸ったことだろう。どこかへ連れて行かれるその感覚は言葉では説明しようがない。そんなモヤモヤとした大学時代以来、マイルスには魅了され続けてきた。私にとってのマイルスは、計り知れない力を持つ無二の存在であり、まさしくクールの体現者。
時にその圧倒的なペルソナが音楽を食ってしまうこともあった。女性からモテる一方で、女性に手をあげる女たらし。インテリの薬物中毒者。良き友であり、最低の父親。華麗で人目を引く一方で、人前を嫌う自惚れ屋。
その人間像は等身大をはるかに越え、伝説だった。しかし語られるすべてが現実とは限らない。
マイルス・デイヴィスの物語はドラッグ漬けの天才、として描かれることがしばしばだ。技を磨くために切磋琢磨する姿や、クラシック音楽を研究し、精通していたことはめったに描かれない。慈愛に満ちたバラードを演奏するマイルスはエレガントと呼ぶにふさわしい。が、その心底には、全人生を費やして闘った人種差別から生まれる深い憎悪がうずまいていた。相手に対して惜しみなく何かを与える寛大さを見せた次の瞬間には、ころっと気が変わる。愛した女性たちに対しても、臆面ないほどロマンティックな態度をとったかと思うと、言葉にするのもおぞましい、残酷な仕打ちをとるのだ。
マイルスは孤高の存在といっていい。その人生においても、恋愛においても、音楽においても。彼は決して過去を振り返ることがなかった。相手に頭を下げることもまずなかった。キャリアを通じて何度か、我々が知るジャズの全てを、音楽の全てを根底から覆した。そんな男に関する本格的なドキュメンタリーはこれまで1本も作られていない。進化し続けるマイルスに対して、世界は遅れを取らぬようについて行けるか、ということなのだ。マイルス自身の言葉によって、彼を取り巻く神話が紐解かれる時、マイルス・デイヴィスというレジェンドのかげにいる男の、真の、そしていくつもの陰影に彩られた物語は語られよう。
マイルス・デイヴィス
1926年5月26日、米国イリノイ州アルトン生まれ。
モダン・ジャズの歴史を築いた史上最大の革新者であり、ジャズの帝王と呼ばれたカリスマ。ジュリアード音楽院で学び、チャーリー・パーカーのバンドで名を上げる。
独立後に自己のグループを結成。
クール・ジャズ、ハード・バップ、モード・ジャズ、フュージョンなど、ジャズ史を形成したジャズ・スタイルの大半はマイルスが創り上げた。
また、マイルスのバンドからジョン・コルトレーン、ハービー・ハンコック、キース・ジャレットなど有名ミュージシャンを輩出、"マイルス・スクール"と呼ばれた。
「クールの誕生」、「カインド・オブ・ブルー」、「ビッチェズ・ブリュー」など歴史的な傑作が多数ある。
1991年9月28日死去(享年65歳)。
CAST
クインシー・ジョーンズ
ハービー・ハンコック
ウェイン・ショーター
ロン・カーター
ジミー・コブ
マーカス・ミラー
マイク・スターン
ジョシュア・レッドマン
カルロス・サンタナ
ジュリエット・グレコ
クライヴ・デイヴィス ほか
STAFF
監督:スタンリー・ネルソン
日本語字幕:落合寿和
配給:EASTWORLD ENTERTAINMENT
協力:トリプルアップ
第62回 グラミー賞【最優秀音楽映画】部門ノミネート
第37回 サンダンス映画祭 正式出品
2019 / 米国 / 115分
公式サイト
https://www.universal-music.co.jp/miles-davis-movie/