ヘレン・シャルフベック生誕160年記念公開
魂のまなざし
トリプルアップ配給協力作品
2022年7月15日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー!
モダニズムを代表する芸術家の一人として
近年世界的評価の著しいフィンランドの国民的画家
ヘレン・シャルフベック
ひたむきに真実を求め続けた彼女の
最後のそして終生の愛と友情
モダニズムを代表する画家のひとりとして、近年世界的に注目を浴びるフィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベック。日本でも2015年から2016年にかけて大規模な個展が実施され、2019年にはフィンランドの女性芸術家7人に光を当てた「モダン・ウーマン展」で取り上げられ、ファンを獲得した。本作は彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の中年期時代を描く。
シャルフベックは、ロシア帝国の支配下にあったフィンランドに生まれ、祖国の独立と内戦を経て封建的な世界が崩壊していく過程と歩調を合わせるように、画家として、女性として、一人の人間として自律的に生きていく。狂おしい愛に打ちのめされ生涯の友情を得る中で、自分自身と身の回りの存在を凝視し、その本質を描きだす手法をひたすら追求した。
抑圧的な母親や男性社会に臆せず、栄光よりも内から湧き出る情熱に従った。どん底にあってもやがて立ち上がって背筋を伸ばし歩んでいく。その凛としたシャルフベックの姿を、北欧の美しい自然とともにとらえ本国で大ヒットした(2020年の年間興行成績7位、同年公開の「トーベ」が8位)珠玉作。
ストーリー
1915年、ヘレン・シャルフベックは、いわば忘れられた画家であり、フィンランドの田舎で高齢の母と一緒に暮らしていた。最後の個展から何年もたっていたが、ヘレンは、栄光のためではなく内から湧き出す情熱のためだけに描き続けていた。そこへ画商のヨースタ・ステンマンが訪ねてきて、小さなあばら家にあふれていた159枚の絵を発見した。その圧倒的な才能に驚嘆した彼は、首都ヘルシンキでの大規模な個展開催を決意する。しかし、ヘレンにとって真の転機は、ヨースタが、エイナル・ロイターを彼女に紹介した時に訪れた。森林保護官でアマチュア画家でもあった青年エイナルは、ヘレンと作品の熱狂的な崇拝者というだけにとどまらず、彼女にとってかけがえのない友人そして愛の対象となる。
展覧会は大成功をおさめた。批評家から絶賛され、作品も完売した。成功とエイナルへの愛によってヘレンはそれまでの人生で経験したことのない幸福の極みにあったが、エイナルへの気持ちをはっきりと表明することはなかった。そして、突然エイナルが他の女性と婚約した時、無邪気な幸福の絶頂から真っ暗な谷底に突き落とされ、精神的な危機に陥ってしまう。だが、彼女は蘇る。友人のへレナ・ヴェスターマルクの助けを借りて彼女は長期の入院生活からゆっくりと回復し、支配的で冷たい母の呪縛から自分自身を解放することにも成功する。そして、同時代の女性芸術家たちにも先駆けて、より自立し、さらに強く成長していく。
CAST
ラウラ・ビルン、ヨハンネス・ホロパイネン
クリスタ・コソネン、エーロ・アホ、ピルッコ・サイシオ、ヤルッコ・ラフティ
ヘレン・シャルフベック:ラウラ・ビルン
1981年ヘルシンキ生まれ。フィンランド語、英語、ポルトガル語など6か国語を話し、フィンランドで最も成功している女優の一人。『サンタクロースになった少年』(2007) 『予想外な8月』(2013) 『誘惑の掟』(2014) 『ファブリックの女王』(2015) 『招かれざる隣人』(2015) 『ヴォイド』(2018) 『ターニングポイント』(2018) などに出演。ヨキネン監督と組んだ前作『Purge』(2012)では、フィンランド・アカデミー賞最優秀女優賞を獲得。現在AppleTVのSFシリーズ『Foundation』に出演中で、国際的に広く活躍している。
ラウラは、ヘレンを演じるにあたり、彼女に関する数多くの本を読み、6か月間にわたりフィンランドを代表する画家のひとりであるアンナ・レトゥライネンに私淑し、配色や絵の具の重ね方など実際の描き方を学ぶとともに、芸術について議論を重ねる日々を送った。
エイナル・ロイター:ヨハンネス・ホロパイネン
『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』(2017) 『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』(2018)で知られる。
ヘレナ・ヴェスターマルク:クリスタ・コソネン
1983生まれ。『ジェイド・ウォリアー』(2006)で初主演。ヨキネン監督の『ラストウォー1944 独ソ・フィンランド戦線』(2015)で、上海国際映画祭主演女優賞のほかフィンランド・アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。『マイアミ』(2017)で2回目のフィンランド・アカデミー賞賞最優秀主演女優賞に輝いた。『ブレードランナー 2049』(2017)出演で世界的な注目を集める。
ヨースタ・ステンマン:ヤルッコ・ラフティ
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』(2016)で、フィンランド・アカデミー賞最優秀男優賞を受賞。他に『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』(2017)など。
STAFF
監督:アンティ・ヨキネン
1968年、フィンランドのヘルシンキから37キロ離れたヌルミヤルヴィに生まれる。バスケットボールで奨学金を得て、米イーストカロライナ大学に留学、後に放送と映画を専攻して卒業。在学中にジム・モリソンの詩をもとにした短編『Fist Full of Sand』を作り、ノースカロライナ映画祭で受賞。MTV幹部の目にとまりNYでMTVのアシスタントプロデューサーとして働くが、大学卒業後フィンランドに戻り自らの制作会社を設立、テレビシリーズやミュージックビデオを制作したが、再びアメリカに渡り、ミュージックビデオのディレクターに専念。ビヨンセ、ウィル・スミス、アナスタシア、セリーヌ・ディオン、久保田利伸などのビデオを多数手がけた。
2009年、ヒラリー・スワンク主演で初の長編『The Resident(邦題:ヒラリー・スワンク ストーカー)』を撮影開始、2011年に公開された。再びフィンランドに戻り、2012年『Purge』を監督、米アカデミー賞フィンランド代表作品に選ばれる。。2015年の『The Midwife(邦題:ラストウォー1944 独ソ・フィンランド戦線)』は過去25年間におけるフィンランド最大のヒット作となった。2016年『Flowers Of Evil』(上海国際映画祭監督賞)に続く長編5作目が『魂のまなざし』。
字幕:林かんな
原題:HELENE
配給:オンリー・ハーツ
劇場営業:トリプルアップ
宣伝:植田さやか
WEB宣伝:伊達真泉
後援:フィンランド大使館
応援:求龍堂
ファジル国際映画祭最優秀女優賞
2020年 / フィンランド・エストニア / 122分
© Finland Cinematic
公式サイト
http://helene.onlyhearts.co.jp/