ブルー・バタフライ
トリプルアップ配給協力作品
2017年12月よりK's cinemaほか全国順次ロードショー!
想い出が未来である眼差し
1987年、恐れを知らない若者は、俳優になるだけの夢を携えてアメリカに渡った。偶然知り合ったエリア・カザンの自宅の押しかけ居候をする。俳優修業とともに趣味で始めた写真をデニス・ホッパーに褒められ、ロバート・フランクに認められて写真で身を立てることに。以来30年、日比遊一はニューヨークをベースにしてきた。
旧知のプロデューサー李鳳宇から声がかかり、高倉 健のドキュメンタリー「健さん」を監督。モントリオール世界映画祭で受賞する。すでに次回作のオファーも得て鋭意準備中だ。それが本作「ブルー・バタフライ」。
社会の底辺で苦しみ、もがきながら、ささやかな幸福の想い出と未来を「青い蝶」に託して生きるメキシコ系の女。それは日比監督がアメリカで過ごした青春だ。簡単には語れない苦悩、差別、大病、勿論ありえないような出会いや愛もあっただろう。誰にも頼れず貫くような孤独の中で、ときとして心ある言葉に泣いたに違いない。
1980年代、ジム・ジャームッシュやスパイク・リーなどニューヨーク・インディーズと言われる監督たちの映画に通底していた、天国であり地獄である自由だけどヒリヒリする刺すような感覚。それを体現するトレイシー・ペレスの強く潤む眼差しを受け止めるだけにでも、この映画を観る価値がある。
ストーリー
義父から性的暴行を受けて育ったヤズは、本来の柔和な性格が一変し、心やさしい義兄のマニ―を利用しながら酒やドラッグに身を任せる荒んだ生活を送っていた。マニ―はヤズを守るために犯した罪で仮釈放の身だが、ヤズへの<特別な想い>を隠しながら、困ったときに頼ってくる義妹を何とか支えようとする。
一方、マニ―の保護観察官ブレナ―は、自分のせいで死んだ実の息子にマニ―を重ね、マニ―からヤズをひき離すことで彼を立ち直らせようとする。
しかしヤズの荒れ狂った行動は、さらにエスカレートしていき、とうとうお金のために追い詰められたヤズは、マニ―の愛する息子ルークを誘拐する…。
CAST
トレイシー・ペレス、イヴァン・カミロ、ジョン・ジューバック
STAFF
製作:ZZYZX STUDIO
音楽:渡辺琢磨
衣装:サラ・パ―ロ
メイク:伊藤麻衣子
キャスティング:マリア・ネルソン、エレン・マーシャル
美術:ライアン・スティーブンソン
編集:日比遊一、出口景子
録音:宮澤しほ
照明:シメオン・ムーア
撮影:谷田ヤス
脚本:フランク・デ・ルーカ、日比遊一
原案:日比遊一
プロデューサー:日比遊一、フランク・デ・ルーカ
監督:日比遊一
配給:オンリーハ―ツ
配給協力:トリプルアップ
2014年 / 89分